さすらいのアングラー 老人と河 編 9月20日

老人はじっと川面をみつめていた。
来る日も来る日もこの河の主をしとめるまで、じっと待ち続けている。
老人の足元では愛猫もじっと川面をみつめていた。
老人は何を考え川面をみつめているのか。この河の主の事か、それとも自分の
人生をふりかえっているのか。老人の人生も決して平坦な人生でなかったに違いない。
さまざまな苦難を乗り越え、今がいちばん充実した日々を送っているのか。
今、じっとこの幸せをかみしめているのだろう。
愛猫も過去をふりかえり見つめなおしているのか。
「今朝、じいちゃんからもらったサンマうまかったニャ~。 あっ そうそう昨日のアキアジ
の頭 あれもうまかったニャン。 ・・・・・・・あとはなんだっけニャー? う~n ニャロメー。」
猫は記憶力がよくないので昨日のことさえ覚えていないようだ。
てなこと思いながら恐る恐る老人に話しかけてみました。
「何 釣れるんですか?」
「ワカサギ。」 ・・・・・「えっ ワカサギ? 氷の下で釣るんじゃないんですか。」
「いやいや、ここで釣れるのよ。 こんなの。」 と
老人は親指と人指指をひろげてみせた。
こんなの・・・・・・10センチ。 ・・・・河の主?
これも人生を見極めた究極の釣りかも。
愛猫は「じいちゃん早く釣ってくれニャー。」 と訴えているようでした。<moyan>
by trlkushiro | 2007-09-20 09:50 | えとせとら